むかしむかしあるところにウェルビーイングがありました 石川善樹、吉田尚記

最近よく耳にする「ウェルビーイング」。私が初めて目にしたのは17、8年前でしょうか、「福祉の概念がウェルフェアからウェルビーイングへ変わる」と何かのテキストに書いてあったと記憶しています。

ウェルビーイングは、「満足」と「幸福」の2項目で測定できるそうです。ただ、満足と幸福は人それぞれ感じ方が違うので、何かぼんやりとします。また、西洋と日本でも違うようです。

某大人気少年漫画を使って例にすると、西洋的ウェルビーイングでは、主人公は大秘宝を見つけ、海賊王になり、ハッピーエンド。日本的ウェルビーイングでは、主人公は大秘宝は見つけられず、仲間とも別れ、村に戻り畑を耕して暮らしましたとさ、おしまい。

上を目指すことばかり考えず、ゼロに戻るのでいいではないか。能力や技術の良し悪しで判断する社会ではなく、ありのままを許し合える社会の方がウェルビーイングに近づけるのではないか、と本書は言います。

あまり気負わず、ありのままでいられる時間と場所を大切にすることが、ウェルビーイングに近づく一歩なのかも知れません。