バカと無知 橘玲

 自分を大きく見せたり、知ったかぶり、他人が集団から逸脱すれば、叩きのめしたりマウントを取る…恥ずかしい行為だと思いながらも、実はこれらの行為はヒトが社会的動物として進化した結果だと言うのだ。

 これらのヒトの習性は原始時代に群れで生きていく上で必要なものであったが、現代の文明社会では社会全体の足を引っ張るだけのものであろう。文明の発展がヒトの進化を超えているのだ。

 ソクラテスは、人は無知であることを自覚せよと「無知の知」を説いた。私達はヒトとは何か社会とは何かと学び、考え続けることが、人として善く生きることになるのだろう。