2024-01-01から1年間の記事一覧

ナショナル・ミニマムとしてのインターネットアクセスを考察する

ナショナル・ミニマムとは、国家が国民全体に対して保障すべき必要最低限の生活水準を指す。この概念はイギリスのウェッブ夫妻によって提唱されたもので、賃金、労働時間、衛生、安全、保健、医療、住宅、教育、余暇、休息など、生活の再生産の全分野と生産…

令和6年4月ニュースレター

尾崎豊「卒業」 ~本当の自分に辿り着くために~

巷では卒業シーズンとなりましたね。 卒業ソングとして知られる尾崎豊の「卒業」は、その歌詞の内容から一般には不良ソングと言われることもあります。しかし、その歌詞には深い意味が込められています。 「卒業」には、ただ学生や生徒が学校を卒業すると言…

アンパンマンとマキャベリズム 正義と悪の二元論からの脱却

アンパンマンは、やなせたかしが原作者で絵本やアニメで知られています。アンパンマンは、誰にでも優しい性格を持ち、困っている人やお腹を空かせた人がいれば、どこへでも飛んでいく勇敢なヒーローで、長年に渡り子ども達に愛され続けています。 マキャベリ…

おあとがよろしいようで 喜多川泰

「おあとがよろしいようで」は、喜多川泰氏の著作の青春小説です。物語は東京の大学に入学したばかりの主人公、門田暖平を中心に展開します。暖平がひょんなことから落語研究会に入部します。暖平は、自己発見と成長を通じて、個性を受け入れ、人々とのつな…

令和6年3月 ニュースレター

熟達論 為末大

為末大氏の著書「熟達論」は、人生を極めるためのバイブルとして、基礎の習得から無我の境地まで、人間の成長には「遊」「型」「観」「心」「空」の5段階があると説明している。 これは、宮本武蔵の「五輪書」になぞらえて紹介されているものであり、為末大…

白岩川流域古墳群を巡る~古墳時代から現在へ そして、現在を未来から逆算~

私は、仕事での外回りの時の通り道にある白岩川流域古墳群を見ています。古墳群とは、複数の古墳によって構成される遺跡群のことで、日本の古墳時代(3世紀半ばから7世紀頃)に築造された墳丘をもつ墓です。古墳の形は、円墳や方墳、前方後円墳や前方後方墳…

日本と欧米の寄付意識の違いを文化面と歴史面から考察する

欧米では寄付文化が根ざしていると言われている。我が国では欧米と比べ、寄付総額も寄付者率も低い。この違いは、欧米では寄付は社会への感謝や貢献として捉えられ、寄付者やNPO等の法人は税制優遇があることに起因するものだ。ただ、それらだけではなく、日…

子ども未来フォーラム~子どもたちと考える富山市の未来~を聴講して

少子高齢化や児童数の減少、小学校再編、GIGAスクール、VUCAの時代…、子ども達の教育環境は目まぐるしく変化しています。このような時代に私達大人はどのような教育の場を作っていくべきなのでしょうか。 子ども未来フォーラム~子どもたちと考える富山市の…

「〇〇系だから〇〇」というカテゴライズは本質を見誤るだけでなく、より豊かで幸せな社会の構築を阻害する

よく「あの人は〇〇系だから~」という話を耳にします。このカテゴライズは合っているかはよくわかりませんが、はたして多様性を進めている現代社会において有効な考え方なのでしょうか。 多様性とは、人々が異なる文化や価値観、思考や行動のパターンを持つ…

ソーシャルインクルージョンを経済合理性の面から考察する

ソーシャルインクルージョンとは、すべての人が社会に参加し、その恩恵を享受できる状態を指す。これは、人々が自身のアイデンティティ、能力、ニーズに関わらず、社会の一員として尊重され、その権利を行使できることを意味する。 ソーシャルインクルージョ…

仕事に役立つ新・必須科目「情報Ⅰ」 中山心太

「情報Ⅰ」は高校の必須科目で、プログラミングやシミュレーション、データ分析などを学ぶ教科だ。この教科は、情報技術を適切かつ効果的に活用することで、問題の発見・解決に役立つ力を育むことを目的としている。プログラミングでは、コンピュータに命令を…

令和6年2月ニュースレター

アダム・スミス 「国富論」と「道徳感情論」

アダム・スミスと言うと社会科の授業で習った、「国富論」「見えざる手」を思い浮かぶ人が多いであろう。 ただ、「国富論」の前に出版した「道徳感情論」を知る人は少ないだろう。 「道徳感情論」は「国富論」の前提になる考えを説明したものだ。ここでは、…