仕事に役立つ新・必須科目「情報Ⅰ」 中山心太

 「情報Ⅰ」は高校の必須科目で、プログラミングやシミュレーション、データ分析などを学ぶ教科だ。この教科は、情報技術を適切かつ効果的に活用することで、問題の発見・解決に役立つ力を育むことを目的としている。プログラミングでは、コンピュータに命令を与える方法や、プログラムの構造や動作を理解する方法を学ぶ。シミュレーションでは、現実の事象をモデル化して、コンピュータ上で再現する方法や、シミュレーションの結果を分析する方法を学ぶ。データ分析では、データベースやオープンデータなどの情報源から、必要なデータを収集・整理・加工する方法や、データを視覚化・解釈・評価する方法を学ぶ。

 2025年からは国公立大学の入試にも「情報」が出題されるようになる。これは、情報社会において、情報技術を使って自ら学び、自ら考え、自ら表現する能力が求められるからだ。入試では、プログラミングやシミュレーション、データ分析に関する基礎的な知識や技能だけでなく、それらを応用して、課題を解決するための思考力や判断力、表現力も評価される。従来の国語、地理歴史・公民、数学、理科、外国語に「情報」が加わり、6教科8科目になることで、総合的な学力が重視されるようになるのだ。

 2030年頃には、高校で「情報Ⅰ」を学んだ学生が社会に進出し、次世代のビジネスパーソンとして活躍するだろう。彼らは、ITの知識やスキルを標準装備しており、様々な分野や業種で、情報技術を活用してイノベーションを起こすことができるだろう。彼らと協働し、データに基づく意思決定をしていくには、現在のビジネスパーソンも、「情報Ⅰ」を学び、ITやデータ分析の能力を向上させる必要がある。これは、自分の仕事やキャリアにとって、有利になるだけでなく、社会の発展にも貢献できることなのだ。