第三次世界大戦はもう始まっている エマニュエル・トッド

 ロシア・ウクライナ戦争は「民主主義陣営」VS「専制主義陣営」の戦争ではなく、戦争の原因は米国とNATOにある、とトッド氏は膨大なデータとエビデンスを持って分析し断言する。

 そう聞くとトッド氏は親ロシア派なのかと感じるほど、私たちはもしかしたら西側メディアの情報に浸透されているのかも知れない。

 半年前に出版された(2022年6月出版)にもかかわらず、西欧各国の経済へのダメージを言い当てた。また、長期化によって「強い米国」VS「弱いロシア」の構造が顕著になることで、各国のロシアへの支援やロシアの生き残りが強い米国の崩壊を招くと予言している。

 戦争自体は早く終結してほしいと願っているが、今後の世界情勢はどうなるか不透明である。新たな見解を得られる一冊となるであろう。