推し活の考察 ~コンシャスキャピタリズムの観点から~

 最近、推し活という言葉をよく目にします。そこで、推し活についてコンシャスキャピタリズムの観点から考察してみました。

 推し活とは、推しと呼ばれる自分の好きなキャラクターや作品に対する愛情を表現する活動のことです。推し活をする人たちは、推し物や推しイベントに参加したり、推しグッズを購入したり、推しに関する情報や感想を発信したりすることで、自分の趣味や嗜好を満足させるだけでなく、同じ趣味を持つ仲間と交流したり、推しの魅力に共感したりすることで、幸福感や充実感といった体験を得ています。推し活は自分の好きなものに対する愛情や応援の気持ちを表現することで、自己肯定感や自己実現感を高めることができます。

 推し活にも注意点があると思います。推し活はあくまで個人の趣味や嗜好に基づくものであり、他人に強制したり、否定したりすることはありません。ただ、推し活をすることで他人の権利や感情を侵害したり、自分の生活や健康に悪影響を及ぼしたりすることは避けなければなりません。そこで、以下のような条件が満たされていれば良いのではないかと考えます。

  • 推し活をすることで幸福感や充実感を得られるなら良いが、それが自分の生活や健康に悪影響を及ぼさない程度にコントロールできること。

  • 推し活をすることで同じ趣味を持つ仲間と交流したり推しの魅力に共感したりすることができるが、それが自分の社会性や現実感覚を失わせない程度にバランスが取れていること。
  • 推し活をすることで自分の好きなものに対する愛情や応援の気持ちを表現することができるが、それが他人の権利や感情を侵害しない程度に配慮すること。

以上の条件が満たされていれば、推し活はQOL(生活の質)の向上や社会的関係性を高めることができると考えます。

 

 しかし、これらの条件は消費者側だけではなく、供給者側も関係しています。供給者側は推し物や推しイベントを提供する立場ですが、それだけではありません。供給者側は消費者の推し活を支える役割も担っています。そのため、供給側は以下のようなモラルや倫理観を持たなければならないと考えます。

  • 射幸心を煽ったり、不安を煽るようなやり方はいけない。推し物や推しイベントは消費者の自発的な選択に基づいて提供されるべき。消費者をだましたり、脅したりすることは許されない。
  • 生活を困窮してまでさせるのはいけない。推し物や推しイベントは消費者の経済的な余裕に応じて提供されるべき。消費者を借金に追い込んだり、破産させたりすることは許されない。
  • 消費者が推し活を楽しめるように供給者側がモラルや倫理観を持って提供しなければならない。推し物や推しイベントは消費者の趣味や嗜好に応えるべきで、消費者を裏切ったり、侮辱したりすることは許されない。

 

 以上が推し活のコンシャスキャピタリズムの観点からの考察です。推し活をされる方々と推しを提供する側の双方が持続可能な存在となり、社会への影響や双方と周囲の人々の幸福も意識した活動であってほしいと願っています。